学生コラム

障がい者と幼児のふれあい

【学生コラム30】
私は障がい者理解の一環として、「ふれあいアート教室」という活動に参加しています。ふれあいアート教室とは、障がいを持った方が保育園へ訪問し、子どもたちに演劇や書を披露したり、一緒に体を動かしたりする活動です。

その目的は、子どもたちが障がいを自然な存在として認知するきっかけと、障がい者の社会参加及び自己肯定のきっかけという二つのきっかけを繋ぎ合わせることです。

先日訪問した保育園では、子どもたちが車いすとそれに乗る方を見つけると、それぞれに興味を示し、すぐにその周りに駆けつけ、「なんで車いすに乗っているの?」「病気なの?」などといった率直な質問をしていました。

手をつなぐプログラムでは、興味津々に障がい者の手を触る子や、頬ずりをする子もおり、偏見及び、それに伴う距離感というものは全く感じさせず、本当に初対面なのだろうかと錯覚するほどに心を開いていました。

私は活動の様子をビデオカメラで撮影していましたが、休憩時間になると何人もの子供に取り囲まれ、「これはどうやって使うの?」、「僕にも使わせて」など、幼児期の子どもの興味の対象は幅広いことを実感しました。

また、脳性まひを持つ方の話し方に、初め子どもたちは「何を言っているのかわからない」と言っていましたが、少し経つと、話した内容を自分で復唱し、話を聞き取っている様子が見受けられました。

最後の方では、自ら障がいをもった方に近づき、顔に付いてしまった墨を拭き取ってあげる子や、車いすのグリップを懸命に握る子など、自主性も見られました。そして、アートを通して、世代や障がいの有無に関係なく自然に笑みがこぼれ、輪が出来上がっているのを感じました。

今回の活動を通して、子どもの障がい者に対する素直な感想を聞くことが出来ました。そして、活動の中で子ども達から駆け寄る場面も多く見られました。

偏見は中途半端な知見によるイメージから作られ、更に、社会が壁を意図的に作っているケースもあります。子ども達の様子を見ていて、固定概念が全くない状態で触れ合うことの意義を強く感じました。また、活動の中で子ども達の自主性を見ていて、障がいを個性と置き換えて自然に接することを子ども達が一番よく知っているのではないかと思いました。