学生コラム

コメパワー

新型コロナによる物流の混乱やロシアによるウクライナ侵攻の影響で、供給が滞っている食品も少なくない。また、日本ではフードロスの問題も課題となっている。こうした食品の問題がつきまとっている中、なんと”コメ”からチーズやバター、ビールなどの新しい食品を作り出すというアイデアが生まれた。


神戸のコメの大手会社でコメチーズが開発された。チーズは、国内消費のおよそ80%を輸入している。それを国内でほぼ100%時給できるコメで作るという。乳製品を使っていないため、乳製品アレルギーのある人も安心して食べることができる。


コメから新しい商品を開発する背景は、コメの低迷にある。コロナに伴う飲食店の休業・時短営業の影響で、コメの販売数量が激減し、ここ2年でコメの取引価格が2割ほど下がっている。一方、コロナの影響により、多くの食品の価格が値上がりしている。この二つの問題を解決するべく、コメチーズは生まれた。


また、大阪を中心にカレー店を展開する会社からは炊いた米から作ったビールが販売された。この会社も緊急事態宣言や蔓延防止によって、廃棄せざるを得ない炊飯米が増えてしまった。それらを破棄せずに済む方法として、コメビールが生まれた。このように、コメはフードロスの解決にもつながっている。

コメの活用方法はこれだけではない。コメは、フードロスの問題だけでなく、プラスチックの含有量を減らすこともできる。プラスチックと破砕米を混ぜ合わせることで特殊な素材を生み出すことに成功した。その素材は、おもちゃや食器類に使われているものもある。脱プラスチックの動きの中で原料として採用したいという企業も急増しているという。

このように、日本人である私たちが毎日食べているコメがさまざまな問題を解決する救世主となっている。これから、コメ以外の食材も私たちの身近で大きな問題を解決してくれる重要な役割を果たしてくれることになるかもしれない。

参考文献:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220513/amp/k10013624121000.html