学生コラム

~旅行を楽しむ~

1981年は国際障害者年に当たる。障害者の社会生活の保障・参加のための国際的努力の推進を目的とし、テーマは「完全参加と平等」。

障害者は,その社会の生活と発展に全面的に参加し,他の市民と同様の生活条件を享受し,生活条件向上の成果を等しく受ける権利を持つ。 このことをきっかけに行政主体で様々な施策が打ち出され今まで外に出ることのなかった障害者は旅行に行くことが可能になった。

しかし、この時代バリアフリーはもちろんないし、根強い障害者差別によって彼らは限られた条件や制約の中で旅行先を決めなければならなかった。さらに、介護や医療面での費用など彼らに課された問題はたくさんあった。

それでも90年代になると大手旅行会社を筆頭に、宿泊業や観光施設がこれまでの消極的姿勢を一転させ、積極的に障害者を受け入れるようになり、彼ら向けのツアーなどを開拓、それに追いつくように政府も設備面やバリアフリーを充実させていった。

そしていま、障害者でも気軽に旅行に行けるようになった。

まだまだ改善していかなければならない点はたくさんある。お風呂の設備や旅行先による休憩所のトイレ設備、バリアフリー化など日本の障害者に対する対策はほかの国に比べても劣っている。

これからの障がい者旅行にとって重要な点は「情報」であると私は考える。彼らの目線になって考えたとき、障害の用途に沿った配慮が必要になってくる。

障がい者のための旅行企画やツアーが出る一方で、そのときに起こる問題や改善点などについて書かれた雑誌や書籍は少ない。障がい者の目線になった旅行ガイドを作成することにより、より一層旅行の幅が広がるのではないだろうか。

先日ゼミで障がい者の方が国内旅行だけでなく海外にも行ってみたいという話を聞いた。

私たちにとってあたりまえになりつつ海外旅行は彼らにとっては大きな目標なのだということに気づき、彼らが今後旅行に対して心から楽しむことができるよう、私にできることを初めて参加するふれあいの旅で見つけていきたい。

参考文献:障害者旅行の段階的発展 、井上寛著

(文献は出版社、年まで記入すること)