学生コラム

避難訓練と生徒の意識問題

現在、全国どこの学校も防災教育を行っている。防災教育の一例としてはやはり、避難訓練だろう。

東日本大震災後、防災教育に力をいれていることは確かである。しかし、避難訓練の程度が学校によって違うのが問題である。

静岡県の119の幼稚園からでは中学校すべての学校で避難訓練時、安全確保と避難誘導までを行っている。差がでてくるのはここからだ。

避難誘導を行ったあとの、保護者への引き渡し、教育委員会、病院、外部組織への情報伝達、DIG(地図を囲み、危険な場所はないかと議論すること)、学校周辺危険個所マップづくり、緊急地震速報を活用した避難訓練となるとだんだん行っている学校も減ってくる。それでも、半分くらいの学校は行っているそうだ。宮崎では中々見られないのではないか。このように、災害を想定した訓練は必要だ。

避難訓練に関しては、震災後に考え直されているが、生徒の意識はどうだろうか。静岡県の生徒にアンケートを行っている。対象は、小学3年、5年、中学3年だ。

私は、2つのことに驚いた。

1つ目はハザードマップという言葉を聞いたことがない生徒がどの学年にも60%もいること。

2つ目に、学校で地震があった際、まずは机の下に隠れる。その後避難するが最も多いのだが、先生がくるのを待つという回答が約20%もいるということだ。

このように、意識の低い生徒もまだまだいるということがわかる。いくら避難訓練を行っても、生徒の意識が低いと、なんの意味もなくなってしまうと思う。先生が来るのを待つというように意識が低いと、学校外で地震が来た時、上手く対応できないのではないだろうか。東日本大震災においても、学校管理下でなかった子供が亡くなっている。

よって、学校外で地震が起きた時の訓練など、防災教育において、いろいろなことを取り入れながら、生徒に防災について興味を持たせ、高い意識を持たせなくてはならない。

参考文献

『静岡県の小中学校における防災教育の実態と課題』、村越真(静岡大学教育学部)・松村由貴(静岡県庁)p.1-11