学生コラム

津波の一時避難所としてのマンションとは、

マンションのオートロックはセキュリティシステムの一つであり、住民の安全のためになくてはならないものだ。しかし、このオートロックの仕組みに不安を抱いている人もいる。

5月20日の防災フェスタのヒアリング調査で、防災について何か知りたいことはありますか?という問いに対し、南海トラフが起きた時の一時避難所として近隣のマンションが解放され、避難場所として提供してくれると言われたが、緊急時、オートロックが実際に解錠されるのかについて不安視している方がいた。

毎回地域の防災訓練に参加しているが、マンションに避難したことは一回もなく、本当にそこが避難所で大丈夫なのか心配している。今建てられているマンションのほとんどがオートロックであるが、災害があった時にオートロックの解除を求める防災協定を管理組合と結ぶ方針がある為、災害時にはロックが解除される仕組みになっている。

しかし、このことを知らない人が大多数であるため、不安を抱いている人も多数いることになる。また、マンションの住人にも一時避難所であることを認識していない人がいるのも現状である。私もマンションに住んでいるが、オートロックが解除されるという話は聞いたことがなかった。

調べた所、実際に一時避難所として建物を提供している地域があった。平成11年6月集中豪雨に襲われた福岡市春住校区では、すべての高齢者が3分以内に避難できる場所として行き慣れた24時間対応可能な高層の鉄筋コンクリートの建物を確保し、所有者に依頼をし、了承をもらって自主避難場所として使用できる取組を行った。

この取組を進めることによって、要援護者の自主避難場所も整備され、避難行動時間は短縮され、自宅に近いことから安心感が生まれ、短時間の避難支援で終わるので負担がすくなくてすんだ。しかし、一時避難所は増えてはいるものの、いまだに74%の自治体が指定していないということが現実である。

****コメント
マンションだけでなく、避難所となっているところがまだロックされているところが多い。日頃の安全と災害時、その両方を守るためにはどうすればよいか、難しいところである。

ある自治会では、避難訓練を一度も実施したことがないところもある。ある自治会では年に2、3回、避難訓練をしている。自治会によって偏りがあるのも課題である。

「共助」と簡単に書けるが、一番難しいことだと思う。