学生コラム

地域福祉への取り組み

今、議論しながら企画されようとしている『サロン de ぴーすけ』に近いものとして、特定非営利活動法人の福祉支援協会ライフサークルという団体が延岡にある。

設立に際し、介護保険制度や障がい者支援制度等関係なく集まれる場所づくりを目指しているそうだ。これをコミュニティカフェ『いなかま』と名付け活動している。高齢者やその家族、障がいの有無、年齢関係なく、という点で『サロン de ぴーすけ』の方針と似ているものがある。

ここでは市と協力して食事はヘルシーなフードやデザート、ドリンクが用意される。また、この場を利用される方々は、編み物、生け花、音楽、陶芸、読書など、一人ひとり趣味を見つけて有意義で楽しい時間を過ごしている。

そのほかにも日帰りでドライブや季節の行事あるいは一泊旅行、介護予防・健康のためのフットケア、ストレッチなど、できる範囲内で様々な活動を行っている。これらは当初から設定されているプログラムではなく、利用しながら増える要望によって実現されたものばかりである。

私が延岡に帰省する時は、利用者の送迎や食事の準備などで『いなかま』を手伝うことがあり、普段は関わらない人たちとの交流の中で、新しい考えや概念が生まれる。実際に、高齢ではあるものの、ホームヘルプやデイサービスなどを必要としない人たちを一人で家にこもりきりにさせずに週に何度か定期的に人と交流することにより、顔の表情や性格の変化があった方を何人も見てきた。

こういった活動は、続ければ続けるほど出会いと別れは当然だが孤独死を防ぐことになり、さらに将来の私たちの過ごす場所につながり、そういった居場所づくりは大切だと感じた。障害を持った方を対象にしたり、第二の人生をより良いものにしたりするための高齢者の方だけの為の一時的なものではなく、私たちにとっても生きがいとして続けていかなければならない活動だと強く思う。

福祉サービスを必要とする人たちに地域社会の様々な分野の活動参加の機会を得ることができるようにすることはもちろん、健やかに過ごせる地域づくりや生きがいづくりの重要性を、身をもって体験したからこそわかる地域福祉を推進することの大切さも踏まえて、これからの『サロン de ぴーすけ』の設立に対して積極的に考え、協力したい。

(なお、写真はイメージで実物ではありません。)

****コメント
「サロン de ぴ〜すけ」というのは、今年度から中央西地区の高齢者の方々のサロンを大学の部屋を借りて、週に1度くらい学生と話しをする場を提供する。

筆者の学生はすでに延岡で何度か手伝いをして、その効果や方法など経験しているようだ。研究室としては初めての試みであるが、非常に心強い。

地域の方々にもよく、学生にとっても心地よい場にできることが目標である。あまり力みすぎず、長続きできる企画を考えてもらいたい。