学生コラム

外見では分かりづらい障がい

身体障がい、知的障がい、精神障がい・・・一言に障がいと言っても、とても幅広く様々な障がいがあり、中には「外見では分かりづらい障がい者」の方もいます。

「オストメイト」と呼ばれる方たちもその中に含まれている障がい者です。ストーマ(人工肛門・人口膀胱)を造設している人のことをオストメイトと呼び、彼らは身体障がい者にあたりますが、外見からは障がい者だと判断しづらいことがほとんどです。

ストーマを造設する原因となるものは、直腸がん、大腸がん、膀胱がん、子宮がん、卵巣がんなど様々ですが、皆、腹部にストーマ装具を装着しています。そのため、普通のトイレでは排せつしづらく、オストメイト用のトイレもありますが、まだまだ普及していないのが現状です。

また、上記したように「外見では分かりづらい障がい」のため、自分から障がい者ですと提示しなければ相手には分かってもらえず、震災の際も周りに助けを求めることができないオストメイトの方が大勢いたそうです。

震災だけでなく普段の生活から、外出先でもし何かあったらどうしようという不安から、外に出ることをためらっているオストメイトの方もいるそうです。

彼らが震災や外出において不安を感じる原因の一つに、オストメイトを知らない人が多いということがあげられます。私自身も最近初めて知りました。きっと中には「私には関係ない」という人もいると思いますが、自分もストーマを造設する可能性は十分にあるのです。

日本人の死因のトップが癌だということは、誰もが知っている事実ですが、それを部分別に見てみると、女性のトップはストーマを造設する原因の1つでもある大腸がんです。男性の方で大腸がんは3位となっていますが、大腸がんになる人は男性の方が女性に比べて2倍も多いのです。女性の大腸がんも年々増加傾向にあり、他人ごとではないのです。

もしかしたら自分がオストメイトになるかもしれません。もしくは家族、友達、その他周りの人も・・・。「私には関係ない」と突き放すのではなく、誰もが知っておくべきことだと思いました。

****コメント
5月25日の県の防災の日フェアの際にオストメイトの団体の方からお話をしてもらい、そこで感じたことを書いてくれました。他の内容も考えていたそうですが、初めて知ることが多く、いろいろと考えてくれました。

障がいには様々なものがあって、ひとくくりにできない。そのため、全てを知ることは難しいことですが、筆者のように話しを聞き、考えてくれる気持ちがあれば、障がい者理解は少しずつ進むでしょう