学生コラム

女性視点の防災

東日本大震災から約3年が経った。私はゼミの活動で様々なことを調べていくうちに多くの女性がプライバシーが保たれない長期の避難所生活を余儀なくされていたことを知った。

男女のトイレが隣り合っていることで夜間の利用に不安を感じたり、男性の目が気になり洗濯物を干せないなど不便は生活全般に及んだ。また、生理用品の支援物資が男性から配られるなど女性への配慮を欠いた対応も少なくなかった。

避難所運営のリーダーのほとんどが男性であるために女性が声を上げにくいようだ。その一方で女性が運営に関わっている避難所ではきめ細やかな配慮が見られた。このようなことから地域で女性のリーダーを育て増やすことが大切だと言えるのではないだろうか。

そんな中私は「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクト」という取り組みを見つけた。川崎市の特性をふまえながら、女性の視点が置き去りにならない、防災のまちづくりを進めていくため、生活に根ざした身近な経験値や知恵を活かして避難所運営や日頃の備え、防災教育に活かしていくための取組みを市民参加型のプロジェクトとして行っているものである。

また、興味深いのは女性市民を中心とした防災冊子製作準備プロジェクトを新たに立ち上げていることである。地域課題の把握や講座を「自ら学び、課題として解決に向けて取り組もう」という意思を持った市民のメンバーと一緒につくるものだ。

自分の住む地域・地区の日常生活の場に密着して、防災・復興の体制づくりに女性が多く参画していくことが災害時における女性の労働負担、生活再建、人権を確保する上で求められるのではという考えからだ。災害リスクを削減し持続可能なまちづくりにつながる事業となるよう、まだまだ少ない地域防災の場に女性のリーダーを増やす取り組みを進めていくようだ。

女性の視点を防災に生かすことは、女性のみならず、多くの住民へのきめ細かい支援につながるのではと私は考える。そして1人ひとりが防災の主体であり続けることが何よりも大切なのではないかと感じた。

****コメント
宮崎でも同じように地域の防災活動は、男性が中心になって行われている。女性にしかわからない面もあるため、女性のリーダーを増やす取り組みが必要だろう。

阪神淡路大震災の避難所での話しで、小さなこどものオムツやミルクがなくて困ったという、いろんな状況の中で、宮崎の災害時の備蓄は大丈夫だろうか?

そして、トイレの問題。東日本にボランティアに行った際も、トイレのニオイは強烈なものであった。トイレに行きにくく、それで身体をこわす人もいる。

津波対策だけでなく、他の様々な面についても同時に考えていかなければならないだろう。