学生コラム

防災意識の向上

東日本大震災を契機に全国的に防災意識が高まっている。しかし、「防災のために普段から何をしていますか?」「災害時の避難場所は分かりますか?」といった質問に即答できる人はごく少数しかいないのではないだろうか。

防災意識が高まっているといっても実際に自分が被災者になるとは思っていなかったり、不安を感じてはいるものの災害が起きた場合の対策を全くしていない人がほとんどではないだろうか。

私自身、ゼミで防災関係の研究をしているものの防災グッズは常備しておらず、大した知識もないため、もし今被災した場合、間違いなく適切な行動はとれないであろう。私がこのような状態であるということは、防災にまったく関わっていないような大学生は、私以上に災害に対して対策を行っていないことが容易に想像できる。

そのような問題に頭を悩ませていると興味深い情報を見つけた。札幌大学法学部の浅野一弘氏のゼミナールは「大学生版広報さっぽろ」という広報誌に、防災・危機管理に関する施設や活動などの特集号を刊行することで、大学生をはじめとする若者の防災意識を少しでも向上させることができないかと考えているそうである。また、「大学生版広報さっぽろ」とは別の広報誌の「広報さっぽろ」も関連させていくことも視野に入れているようである。

私はこのアイデアはとても効果的であり、全国でもこのような活動をしていくべきではないかと感じた。広報誌ならば街の至る所に設置することができ、多くの人々の目に触れる機会が増え、結果として全体での防災意識の向上につながる可能性が高いと考える。

調べてみたところ宮崎にも「市広報みやざき」という広報誌が自治会を通じて配布されていたり、銀行やコンビニにも設置されているそうなので、可能であれば私たちのゼミと提携することで災害に関しての情報を伝えていけないだろうかと思案している。

時間の経過とともに風化していく防災意識を、少しでも向上できるような活動を私たちのゼミでも行っていきたい。

****コメント
防災意識の向上、本研究室が取り組む大きな課題である。だからといって、防災に対して万全な対策をゼミ生みんながしているかというとそうではない。

正直なメッセージを書いてくれたと思います。人はだれでも時間の経過とともに風化するもの、私自身も震災後に比べれば、風化しています。

活動している私たちがしなければならないのは、ここに示してあるように「本音」で語ること。自分にも向き合いながら、どういった対策をしていかなければならないか、これからも考えていきましょう。