学生コラム

ふれあいの旅を通して〜バリアフリー・障がい者理解

私が所属するボランティア班は、毎年「ふれあいの旅」という宮崎県ボランティア協会が開催するイベントに参加している。障がいを持っている人、持っていない人が一緒に一泊二日の旅行を楽しみ、交流を深めるという主旨の企画で、今年で30回目の開催になる。

私は昨年度に初めて参加し、大分県の湯布院、別府市を観光した。参加者の方たちの障がいの有無に関わらず自然体で共に旅行を楽しんでいる様子を見て、とても有意義な活動であると感じた。

しかしながら、道中の行く先々でバリアフリーに関する問題を見つけることにもなった。私が特に問題だと感じたのは、湯布院を観光していたときである。とにかく段差が多かったのだ。道路、店の入り口、店内に至るまで身体が不自由な観光客にまるで配慮していないかのような造りが多く、身体的な障がいを抱える人の目線から見るととても不便だということに気づかされた。湯布院の街自体はとても狭いし、坂もあるので立地上仕方なくそうなったのかもしれないが、全国的な知名度があるれっきとした観光地であるにもかかわらず、やはりホスピタリティに欠けているのではないかと感じた。

エレベーターが少なく車いすの方の移動に苦労した旅館や、階段しかなく二階へ行くのに車いすごと抱え上げていくしかなかった別府の施設など、他にも同じような問題が多く見られた。このような現状を目の当たりにすると、外に出たがらない障がい者の人たちが多いのも理解出来る。

それでは、なぜ多くの人が利用するような場所でさえバリアフリーになっていないのか。これは、私の主観だが、普段から地域と障がい者の方たちとのつながりが薄いからであると考えている。障がい者の人たちに対する正しい理解、関心が得られていないから、配慮も行き届いていないし、障がい者の方たちも嫌な思いをしたくないから外に出ない。

では、どうすればよいか。私は、このふれあいの旅やアート教室などの活動を広報し、広めていく事が近道なのではないかと考える。そのために、SNS等のネット媒体、ポスター、広報誌などの紙媒体など、様々なメディアを利用して広報活動をしていくべきだ。

****コメント
「障がい者の人との活動は、それまでしたことあった?」と尋ねると初めての体験だと答えてくれた。これまで町を歩いていても何も不便に感じなかったが、「ふれあいの旅」に参加していろいろなことが見えるようになったとも語ってくれた。

参加者を増やすために、体験しないとなかなか理解してもらえないことをどうしたら理解してもらえるようになるか。単なる旅行というだけでなく、他にいろいろ学ぶものがあるのだが・・・

ゼミ生全員で話し合い、良い方向性が見えた気がします。今年の「ふれあいの旅」、ボランティアグループの皆さんがどんな取り組みをしてくれるか、私はそれを楽しみにしたいと思います。